2017年08月19日
「一時的測定装置」
アドホックかつ一時的な測定装置でも、量子ビットが測れるようになると嬉しいものです。
縦緩和時間・横緩和時間
量子ビットが測れるようになりました。測定結果は量子ビットの寿命を示しています。測定装置は、マイクロ波やラジオ波の分配器が手元に無かったり増幅器が足りなかったりしたので、本当に間に合わせの測定系を組みました。分配器はT分岐と減衰器を組み合わせて代用したり、ゲインブロックの逆方向比を使って漏れを抑えたりしてやっとこさ測定できました。
まだまだ位相安定性が悪いです。たまたま手元にRG174のコネクタがあったのでそれらを使ってケーブルを作って配線を行いました。ネットワークアナライザで確認しても、少し振動させるだけで〜5°程度位相がブラブラしてしまいます。一方で波形発生器とAD変換器のクロックジッタは1°程度に収まっていることを確認しています。増幅器もヒートシンクを付けずに裸のままにしています。大きな熱容量のあるものに熱アンカーした方がよいでしょう。最初の測定結果は(たぶん)エアコンの温度に依存したケーブルの位相回転に量子ビットの信号埋もれてしまって、みえませんでした。
もう少しケーブル回りや、増幅器の伝搬遅延の温度変化に気を付ける必要がありますね。反省ばかりのファーストトライでした。
縦緩和時間・横緩和時間
量子ビットが測れるようになりました。測定結果は量子ビットの寿命を示しています。測定装置は、マイクロ波やラジオ波の分配器が手元に無かったり増幅器が足りなかったりしたので、本当に間に合わせの測定系を組みました。分配器はT分岐と減衰器を組み合わせて代用したり、ゲインブロックの逆方向比を使って漏れを抑えたりしてやっとこさ測定できました。
まだまだ位相安定性が悪いです。たまたま手元にRG174のコネクタがあったのでそれらを使ってケーブルを作って配線を行いました。ネットワークアナライザで確認しても、少し振動させるだけで〜5°程度位相がブラブラしてしまいます。一方で波形発生器とAD変換器のクロックジッタは1°程度に収まっていることを確認しています。増幅器もヒートシンクを付けずに裸のままにしています。大きな熱容量のあるものに熱アンカーした方がよいでしょう。最初の測定結果は(たぶん)エアコンの温度に依存したケーブルの位相回転に量子ビットの信号埋もれてしまって、みえませんでした。
もう少しケーブル回りや、増幅器の伝搬遅延の温度変化に気を付ける必要がありますね。反省ばかりのファーストトライでした。
jjq303dev at 22:35|Permalink│Comments(0)
2017年06月20日
冷凍機
東大分の冷凍機、やっと組みあがりました。
明日リーク試験をやって、金曜日ぐらいから冷却試験を行います。
可愛いわが子の旅立ちです。
明日リーク試験をやって、金曜日ぐらいから冷却試験を行います。
可愛いわが子の旅立ちです。
jjq303dev at 23:06|Permalink│Comments(1)
2017年04月30日
もくじ
0.はじめに
0.1 量子コンピュータの動作を知る 1 2
0.2 いろんな物理系を用いた量子コンピュータ
1.量子コンピュータの外側をつくる
1.1 希釈冷凍機 周辺環境 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11
1.2 希釈冷凍機に導波路を導入する 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16
1.3 希釈冷凍機に増幅器を導入する 1 2
1.4 希釈冷凍機にサンプルホルダを導入する
2.量子ビットをつくる
2.1 量子ビットを設計する 1 2
3.量子ビットを制御する装置をつくる 1 2 3 4 5 6 7 8 9
4.量子ビットをテストする
5.量子ゲートを実行する
5.1 良しあしを測る 1
6.量子ビットを測る
7.量子ビットの数を増やす
8.簡単な量子誤り訂正を実行する(5年後)
9.マジな量子誤り訂正を実行する(10年後)
10.量子アルゴリズムを実行する(30年後)
脈絡のないお絵かき画像。
0.1 量子コンピュータの動作を知る 1 2
0.2 いろんな物理系を用いた量子コンピュータ
1.量子コンピュータの外側をつくる
1.1 希釈冷凍機 周辺環境 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11
1.2 希釈冷凍機に導波路を導入する 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16
1.3 希釈冷凍機に増幅器を導入する 1 2
1.4 希釈冷凍機にサンプルホルダを導入する
2.量子ビットをつくる
2.1 量子ビットを設計する 1 2
3.量子ビットを制御する装置をつくる 1 2 3 4 5 6 7 8 9
4.量子ビットをテストする
5.量子ゲートを実行する
5.1 良しあしを測る 1
6.量子ビットを測る
7.量子ビットの数を増やす
8.簡単な量子誤り訂正を実行する(5年後)
9.マジな量子誤り訂正を実行する(10年後)
10.量子アルゴリズムを実行する(30年後)
脈絡のないお絵かき画像。
はじめに。
こんにちは、Qです。
都内で量子コンピュータを作っています。
「冷やし中華はじめました」的なタイトルですが、中身は真面目です。ここでは量子コンピュータの製作について、ご紹介いたします。
もくじを見て頂ければ、先の長い話だということが分かると思います。量子焼きなまし(アニーリング)法のような、わりとざっくり近似解のような貧弱な実機を作るのではなく、ユニバーサル(つまり、すごいということ)な量子計算機を作ります。そうすると、私たちの手に届く計算の問題のクラス(質みたいなもの)が大きく変わります。私が生まれたころの30年前のコンピュータ(PC88とか)の時代には、またCanBeがピコ、て音を出していた小学生時代には、今の世の中は決して想像できなかったでしょう。そういう次の30年〜100年後の技術的特異点(シンギュラリティ)となりうるのが、ユニバーサル量子計算なのです。特異点の向こう側の世界を誰も予測できないような、そんな計算機を目指します。
興味があれば大学までご連絡下さい。参加もお待ちしております。
田渕 豊 (Q)
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都内で量子コンピュータを作っています。
「冷やし中華はじめました」的なタイトルですが、中身は真面目です。ここでは量子コンピュータの製作について、ご紹介いたします。
もくじを見て頂ければ、先の長い話だということが分かると思います。量子焼きなまし(アニーリング)法のような、わりとざっくり近似解のような貧弱な実機を作るのではなく、ユニバーサル(つまり、すごいということ)な量子計算機を作ります。そうすると、私たちの手に届く計算の問題のクラス(質みたいなもの)が大きく変わります。私が生まれたころの30年前のコンピュータ(PC88とか)の時代には、またCanBeがピコ、て音を出していた小学生時代には、今の世の中は決して想像できなかったでしょう。そういう次の30年〜100年後の技術的特異点(シンギュラリティ)となりうるのが、ユニバーサル量子計算なのです。特異点の向こう側の世界を誰も予測できないような、そんな計算機を目指します。
興味があれば大学までご連絡下さい。参加もお待ちしております。
田渕 豊 (Q)
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