2016年07月01日

希釈冷凍機 導波路 4

cable_s
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やっとケーブルが入りました。曲げは結局R10にしておきました。

ケーブルによる熱流入レートの計算を行いました。熱伝導率をκ [W/(m K)]とします。この単位が分かりにくいですよね。私はいつもκ [W m/(m^2 K)] と考えています。すると、単位温度差(1℃)の温度勾配が単位長さ(1m)あったときに、単位面積あたり(1 m^2)流れる、単位時間 (1s)あたりの熱量 (1J)だと考えています。


一般的にはκ=κ(T)と温度Tに依存します。なので、温度が違うとそのときのκ(T)を用いなければなりません。そこで、その温度の積分量を良く使います。例えば、50 K から 300K の間だと∫_50^300 κ(T) dT [W/m]です。この値を使用したケーブルであるリン青銅について計算しておくと、
温度熱伝導率
50K-300K17.7kW/m
4-50K0.603kW/m
0.7-4K3.0W/m
0.1-0.7 K0.547W/m
0.01-0.1 K82.1mW/m
となります。この温度区分は、希釈冷凍機の各温度ステージに対応しています。

この温度に関した熱伝導率に長さと、断面積の情報を使って、(単位時間あたりの熱量)=(温度積分熱伝導率)×(断面積)÷(ケーブル長さ)で簡単に求められます。ケーブルの断面を見た時に、外部導体面積は約1.19 mm^2、中心導体面積は6.4e-2 mm^2 程度です。今回の場合、ケーブルを18本入れるという前提で、50Kステージには 641 mW、4Kステージには 19 mWの熱流入が見込まれます。実際の各ステージにおける冷却能力(=単位時間当たりに取り去ることのできる熱量)はこれよりはるかに大きいので、問題無しです。

やっぱり1.19mmという細いケーブルは熱流入が小さくて良いですね。トレードオフとしては、細いために何度も冷却・温めを繰り返していると壊れてしまったり、減衰が大きいという点です。入力側は常温からの熱ノイズを排除するために、そもそも>42dB以上に減衰器を入れているので、少々の減衰は気にしません。

この入力の18本セットで(=5×18本)、ケーブルのみで60−80万円の予想です。ケーブル架台を含めると、80−100万円コースですかね。どう安く作るかと、妥協を許せるところと許せないところで悩ましいですね。

入力の設計が完成したので、次は出力側の設計を行います。

追記:
出力側の超伝導線は、研究室に在庫があったので、安く作れる予感です。


jjq303dev at 23:01│Comments(0)冷凍機 

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日々徒然過ごしている研究員。

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