2016年08月26日

希釈冷凍機 導波路 9 「同軸線アニーリング」

今日もぐったり疲れました。配線したり、バックアップサーバのHDD換装したり。

そんな中、新しい冷凍機の入力同軸線のアニール作業を行いました。アニールは焼きなましという意味ですが、私たちは低温環境への慣れという意味で使っています。同軸線は外部導体、誘電体、中心導体からできています。外部導体は金属ですが、誘電体は温度変化による膨張収縮が激しく、常温から低温に冷却中にその熱膨張の違いにより同軸線が破断することがあります。

その破断を予防するためにあらかじめ低温環境に慣らしておきます、というのがアニール作業です。本当は業者にやってもらいたかったのですが、ちょっと手違いで100本を私たちでやるハメになりました。発注後ケーブルは業者によりパイプから同軸線に加工され、今週半ばに送られてきました。

LN2s
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作業は簡単です。液体窒素をデュワーに汲み入れ、そこにケーブルをジャブっと何回も漬け、温めを繰り返します。液体窒素はご存じのように77K程度で、-196度に相当します。本当は液体ヘリウム環境でアニールするのが良いのでしょうが、寒剤の取り扱いが面倒なので避けました。最初は写真のように5本ずつ程度やっていましたが、最終的には面倒になって一気にジャブジャブ漬けていました。

AnCs
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アニールし終えたキュプロニッケル同軸線です。水滴がついて酸化しないように丁寧に乾燥させます。そのケーブルの端面に注目すると、中心導体が飛び出ていることが分かります。これもアニールの結果であり、誘電体が縮んだり伸びたりすることでこのようになります。インストール前に慣らしておくことで、破断を防ぐことができるわけですね。

jjq303dev at 23:30│Comments(0)冷凍機 

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日々徒然過ごしている研究員。

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