2016年12月21日

希釈冷凍機 導波路 16 「入力同軸線ブロックの組み立て」

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同軸ブロックを2つくみ上げて冷凍機に取り付けました。取り付け直後にその周波数特性を測定しています。なにしろケーブルフランジが2m以上の高さにあるので、測定のたびに梯子を上り下りしなければならず、かなり肉体的に辛かったです。実際の実験ではこの最上部のフランジから同軸線を引き出して、人がアクセスしやすいような位置にケーブルを引き出すパネルを作る予定です。

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上の図が測定結果です。この図は12本の同軸線のトレースを重ね描いています。大きな外れ値は無いので断線等は無いのでしょう。ちょうど減衰器のトータル値が42 dbでしたので周波数0GHz周辺は42dBとなっていますね。周波数依存する減衰はケーブルの導体表面によるジュール損です。この依存性は損失係数db/m/sqrt(GHz)という量で特徴化されており、キュプロニッケルの場合メーカのデータシートから算出すると常温で5.36dB/m/sqrt(GHz), 4Kの低温で4.09dB/m/sqrt(GHz)です。私たちの場合、f(x)と書いているのがフィッティング線で、表皮効果による表面での損失モデルにぴったりと一致しております。損失係数も5.1dB/sqrt(GHz)でした。冷凍機の上から下までが90cm程度ですので、だいたいメーカのデータシートどおりです。減衰器の仕様は18GHz以上では規定されていないので、18GHz以上は追加の損失が減衰器から生じます。

(*)損失係数から1mあたりのケーブルの10GHzの表面損失損を知るには5.4*1m*sqrt(10)=17dBのように計算します。

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ケーブルブロックと板の間をアルミテープで目張りしています。隙間があると温度的に熱い上部からの輻射を許してしまい冷たい下部を温めてしまうので(といっても温度上昇という観点では実際にはそんなに影響ないと考えています。むしろ、その輻射が試料=超伝導量子ビットや共振器の実効温度を上げてしまうのではないかと心配しています)。各ステージ間は隙間が無いのが鉄則です。

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今回は4Kステージの余剰冷却能力を測るためにチップ抵抗を取り付けておきました。1kOhmのチップ抵抗に直接φ0.1mm線をはんだ付けして、熱伝導性の良い接着剤で直接プレートに固定しています。チップ抵抗が低温で超伝導化したり、抵抗値が大きく変化するものなのか分かりませんが、とりあえずつけてみました。まぁダメだったらダメってことで。

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輻射シールドと真空チャンバを組み立て(一人でやると腰が痛いです)、真空引きを開始し、冷却開始です。

jjq303dev at 23:30│Comments(0)冷凍機 

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日々徒然過ごしている研究員。

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