2017年03月27日

「出力同軸線と増幅器導入×6」

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前回の冷却にて出力増幅器を2本入れてその動作テストを低温下で行いました。無事動いているようなので、サーキュレータ・アイソレータの納品を待ち出力増幅器をフルセット(6本)で組み立てます。上の写真は低温低雑音増幅器と、アイソレータを組み合わせたセットを無酸素銅版の上に組み立てたものです。これだけで何百万円です…。この増幅器をこの状態で電源を入れて全数動作チェックしました(時間がかかりました)。

アイソレータは低雑音増幅器の入力側(低温側)に入れます。というのも、低雑音増幅器の低温側は理想的には4Kに熱アンカーされておりますが(実際の動作温度数ケルビンです)、その環境温度(=動作温度)により熱輻射が試料空間の10mKへ逆流してくするのを回避する目的です。帯域幅は8-12GHzのアイソレータ(Quinstar社製, 25万円/個)ですので、量子ビットや共振器の帯域幅だけは増幅器の熱輻射から守ってくれるという算段です。その帯域外の熱輻射はマイクロ波フィルタを導入して量子ビットを保護します。

この記事で紹介した設計編と比べながら読み進めて頂けると、実際ものができたなぁって実感して頂けると思います。

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この金属ブロックが50Kへの熱アンカーです。増幅器の後段ですのであまり減衰器を入れたくはないのですが、同軸線の中心導体の熱を冷たい50Kのステージに熱アンカーするために2dBだけ減衰器を入れました。

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DN63フランジの裏側からステンレス線(=熱伝導が良くない)の中心導体だけ銀メッキされたケーブルが50Kステージに降りてきます。以前、液体窒素でアニールしたものです。

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そしてこの部分で熱アンカーをとります。今回はDN63に6つの増幅器を入れたんですが、本当はもっと工夫して8つや10個を詰めて入れるべきだったかなぁ、と反省しています。まぁもう今さら仕方ないんですが。

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手前の金属が干渉(当たって)奥側のネジが締まらないという場面です。この金属はパルスチューブ冷凍機の冷たさを50Kステージに接続する部分です、つまり50Kステージの熱をこの金属リボンにより吸収します。パルスチューブ冷凍機は振動するので、このようにリボンを介して熱接触を取っています。このネジですが、買っていたローヘッドのダックスキーレンチにて締めることができました。ダックスキーレンチ最高。

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4Kの増幅器を全て組み終えた図です。増幅器は静電気にとても弱いので、同軸線を接続するときには必ず外部導体と内部導体をショートして放電してから接続するようにしています。増幅器にはOMNETICSのコネクタで電源を与えなければなりませんが、それはまた今度。一つの増幅器に3本、合計18本の配線を通します。


jjq303dev at 23:30│Comments(0)冷凍機 

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日々徒然過ごしている研究員。

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